アルミニウム製枠を使ったアルミサッシのドアや窓は、軽量でありながら気密性は高いといったメリットがあります。冬温かく夏涼しい家を保つのに、大きな役割を果たしてくれているのです。
一方で、耐火性には劣ります。結露もしやすいです。更には年月を重ねていく中でゆがみも生じるもの、引戸が閉まり切らず隙間ができてしまった場合は、調整補修をするようにしてください。そのまま放っておいても隙間は広がるばかり、せっかくの気密性というメリットが活かしきれなくなってしまうのです。
でもどうすれば良いのでしょう。アルミサッシドア関連の不調の原因とそれぞれの商品の調整方法について観ていくことにしましょう。
わざわざ業者にお願いしなくとも、自分でできることはさまざまあります。
建付けが悪くなったら戸車を調整を
毎日開け閉めするからこそ、アルミサッシは不具合にいち早く気づきやすい場所となっています。住宅関連の不満についてネットで調べても、トップに表示されているでしょう。
ちゃんと締めたつもりなのにサッシと枠との間に隙間が開いてしまう。窓が開け閉めしにくく鍵もかかりにくくなってしまいますね。無理に力づくで閉めているとゆがみはひどくなる一方です。
調整をしてください。建付け調整くらいは素人の方がご自身で簡単にできるお手入れです。
戸車の高さを変えてやるのです。
サッシの下部の方にプッシュボタンがあるはずなので、こちらを外して調整ネジを回すようにしましょう。
商品によってはプッシュボタンがないものもあるのでご注意ください。
取扱説明書には、「戸車調整用穴のホールプレートを外しましょう」といった具合に書かれてある場合もあります。
調整ネジは、右に時計回りに回せば上がり左に反時計回りに回すことで下がるはずです。
建枠と平行となるよう、調整しましょう。高さがいい感じになったら、プッシュボタンを付ける・つまり戸車調整用穴にホールプレートを再度取り付けるようにします。
わざわざアルミサッシを外したりといった手間もなくカンタンなのですぐにできるでしょう。
調子が悪いなと思ったらやってみてください。
鍵の調子が悪いときのクレセント錠の調整方法
防犯のために必ずついているであろうアルミサッシの鍵、それを専門用語で「クレセント錠」といいます。
窓やドアを開閉するということは、つまり鍵の開け閉めも日々繰り返すこととなります。
毎日負荷をかけることで、鍵をかけるときに掛かり具合がゆるい・あるいは逆にかかりにくいといった不調が起きてきていませんか。
やはりストレスですし、緩んでしまってもしも外からでも鍵が開けられるようにでもなっていたら、防犯の意味はまったくなくなってしままいます。早めに調整をしましょう。
戸車調整もですが、ドライバーは必要となります。
家に住んでいるとさまざまな場面で使うことはあるはずです。
100円ショップなどでも最近は手に入るので、1つ持っておくことをおすすめします。
クレセント錠の調整ですが、本体の方は上下・受けは左右に調整することができます。
本体をご覧ください。上下2か所、アルミサッシにネジで取り付けられているはずです。こちらをゆるめて行います。
完全にネジを取り除く必要はありません。ある程度ゆるめた状態で、上下に動かして位置調整を行うのです。
この際、動かなければもう少し緩めてください。受けとの位置関係が重要です。
ちょうどよいと思われる位置に置くことができたら、そのまままた取り付けネジを締めるのです。
受けもまた2か所、調整ネジがあります。こちらをゆるめましょう。
クレセント錠がかかりにくいといった不調を感じているのであれば、左方向に動かしましょう。
開け閉めの際にアルミサッシがガタついてしまうという方は、右方向です。
位置を調整しちょうどよい位置になったら、調整ネジを締めるようにしてください。
ドアの丁番の調整
ドアだと、本体についている丁番で調整することとなります。
固定されているものをネジを回して緩める。そして動かしてちょうどよい位置に置く。
もう一度ネジを締め直して固定する。やはりドライバーが必要です。
戸車・クレセント錠・丁番と専門的な名称は付いていますが、固定している部分を緩めてといったやり方はいずれも同じです。
アルミサッシドア調整時の注意点について
あくまでネジは緩めるだけで、外してしまわないようにしましょう。
緩める程度でも、上下左右に動いてくれて目的は達成できるはずです。
もしもすべて外してその際にネジが転がってどこかに行ってしまったら、なんとも面倒なことになってしまいます。
クレセント錠そのものが外れてなんてなったときに、アルミサッシドアの専門知識がない状態で正しく取り付け直すのも難しいかもしれないのです。誤った付け方をして、それが原因で新たな不調が起きることとなっても大変です。
右回り左回り、どちらにすれば高さが高くなるのか低くなるのか。覚えておくのは大変です。
それなら実際にやってみましょう。右に回して、更にドアが閉まりにくくなった・隙間が広がったというなら逆だったということです。
もう一度緩めてやり、今度は逆にやってみればよいです。
ピッタリの位置に調整できたら、ネジはもう一度しっかり締めてください。
緩めたままで放っておくと、グスグスでどんどんと望まない状態へと悪化していきます。
今後も使っていく中で不調は起こるでしょうし、その時に硬すぎて緩められないというほど強く締めすぎる必要はありませんよ。
思いっきりネジを締めすぎていると、ネジ穴が変形して次回以降に、ドライバーが空回りし調整できないなんて状況となってしまうこともあります。
そうなったら、同じサイズのネジを新たに買ってきて取り付け直したりといった作業が必要となってしまうので、余計な手間が増えてしまうだけです。何事もほどほどにということです。
ドライバー一つあれば、自分でもできる作業なので、不調を感じた場合にはぜひ調整を行ってみてください。